大学4年生の日記

大学4年生となったわたしが思うことをただ書いていきます。

2020/4/12 イップス

恥ずかしながら私は投球イップス(投球障害)である。投球イップスはただの技術不足と言われることもあるが私は精神的なものからきていると身をもって感じている。

 

私は大学2年生の時に大学軟式野球チームでキャプテンを任された。理由はキャプテンシーでもなんでもなく野球がうまかったから。チームメンバーは50人ほどいたが毎試合スタメンは固定されており、私も打順は3番でサードのスタメンは確約されていた。熾烈なスタメン争いがあったりとか、監督から精神的に追い込まれていたというわけでもないのに私はキャプテンになって3日目の練習中にイップスになった。

 

理由は簡単で自分の目指すべき理想像に追いつけないことへの不安があったからだ。なぜか私は自分の能力を過大評価して"自分はもっとできる。もっとできるんだ!"と思ってしまう。

"キャプテンなんだからミスなんかしないのは当たり前"

(チームメイトは全くそんなことは思っていない)

"あーみんなの目が気になる!!"

 

本当は能力も才能もない。ちょっとばかり補欠メンバーより野球が上手かったのも、これまでにしてきた努力の時間が補欠メンバーよりちょっと多かっただけだからだというのに。

 

「理想の自分は常に更新し続けられる。」

 

たとえば「身長があと5センチ伸びたら最高だな〜」と思ったときに目の前に魔法使いが現れて本当に身長を5センチ伸ばしてくれたとする。身長+5センチの理想の自分を手に入れられて喜ぶ私。でも5分もすれば、「あー肌キレイになりたいな〜」と理想の自分をまた更新してしまう。

 

「理想の自分を思い描くことで成長できる!」

まあたしかに。目標を立てることは大切だと思う。でも立てたその目標は自分に見合った目標だろうか?自分を過大評価して立てた大きな目標は、時に自分を不安にさせる。不安が成長の障壁となっては本末転倒である。自分に見合った目標を立てることが成長のためには必要だと思う。

 

私の場合は目標でもなんでもなく、まわりに良いカッコをしたかったせいでイップスになったわけだが。とにかく本末転倒である。普通にしてれば良いカッコできていたのに。

 

大学2年の時にイップスになってから私は打撃専門のDHというポジションを担っていたので約2年間まともにキャッチボールすらしていなかった。まわりからイップスだと思われるのが恥ずかしいし、もう一生ボールなんか投げられないという諦めもあった。

 

ひょんなことから今日キャッチボールをすることになった。集合場所のグラウンドへ向かっている時にボールを投げることができるだろうかという不安が頭の中をぐるぐると駆け巡った。

 

でも今の自分はもう違う。自分は自分であり、他人からどう見られようと思われようとなんてことはないのである。

 

昔のように"良いカッコがしたい"が目標ではなく"ボールを投げたい"が目標になったのだ。別にうまくボールを投げなくてもいい。私の放ったボールが明後日の方向に行ったら「ごめんごめん照」と相手に謝ればよいだけの話なのだ。

 

というかグラウンドでお父さんと野球の練習をしている子供たちや散歩をしているじじいやばばあはそもそも私を見ていないのだけども。

 

スーッと心が落ち着いた。

 

何も考えず無心で一投目を放ると、指先にうまくボールがかかり相手の胸元のグローブに収まった。

 

※余談だが最近寝る前に憧れの芸能人との結婚生活を脳内で想像するのが一つの楽しみになっている。

"齋藤飛鳥と結婚する"

この目標は自分に見合っているのか、いないのか…

 

夢/GReeeeN

夢